気持ちや考えを整理する ― 実践編
「気持ちや考えを整理する」では、気持ちや考えを整理するための大まかな手順や、心構え、そして基本的な方法論などをお伝えしていますが、この実践編では、より具体的な手順を示しながら、短い時間で即効性のあるワークをご紹介していきます。
もちろん、より深く自分の心を整理していくためには本編の内容を踏まえていくことが重要ですから、本編と並行して取り組んでみてください。
なお、ダウンロードできるワークのフォーマットにはXLSとPDFがありますが、印刷して手書きをしたい場合はPDF、パソコン等で直接打ち込みたい場合はXLS形式のものをダウンロードしてください。
※以下の3つのワークに取り組む前には、以下の記事を読んでください。
これまでの成果の定義とそこで求めていた気持ちの整理 -これまで目的としきた気持ちを捉える 優先すべき目的の決定
さて、目的が気持ちであり、成果とはそのための手段、あるいは条件であるとすれば、ここではまず、今まで目的としていた「成果」を、もう一度見なおしてみることが重要です。
あなたにとってこれまで成果とは何で、これからは、何を目的とするのか。
これを明らかにする必要があるからです。
以下のワークをダウンロードし、実際にやってみてください。目標時間は15分です。
ワークの内容の説明をします。
ワーク:これまでの成果の定義とそこで求めていた気持ちの整理
これまで目的としてきた気持ちを捉える
「最近で主に取り組んでいることを5つ以上イメージして、そこでの目標をひとことで書いてみてください。(2分)」
いま無意識に目的としている気持ちを明確にするために、まずは、いま具体的に目指していることを振り返ります。
「絶対に遅刻しないようにしている」
のようなちょっとしたものでも、
「プロジェクトを成功させる」
という成果のようなものでも、
「部下の信頼を得る」
のような測りにくいものでもかまいません。
難しく考えず、ひとことで書いてみてください。
「いま挙げた5つ(以上)の目標について、達成したらどんな気持ちになるか、それぞれ3つ以上書いてください。(5分)」
ここで重要なことは、自分の気持ちに嘘をつかないことです。
認められたい、というのは正常な気持ちですし、給料がほしいとか、かっこいいところを見せたい、というのも同じです。
あるいは、安心する、とか、プレッシャーから解放される、というのでも構いません。
とにかく、一つではなく、3つ以上書いてください。思いつかなくても、ひねり出してください。
「いま挙げた5つの目標について、達成できなかったらどんな気持ちになるか、それぞれ3つ以上書いてください。(5分)」
人は、ポジティブな気持ちを得るためだけではなく、ネガティブな気持ちを避けるためにも、多くの労力を割きます。
特に、最近うまくいっていないな、と思う人は、ネガティブな気持ちを避けることを中心に、行動を選択している可能性があります。
ですが、自分が何を避けているのか、ということは、なかなかしっかりと意識するのが難しいものです。
この質問は、そういった部分を明確に意識して受け入れるためのものです。
5分と書きましたが、こういったことに慣れていないと、もう少し時間がかかるかもしれません。
優先すべき目的の決定
さて、ある程度自分の気持ちが整理できてきたら、目的とすべき気持ちに、優先順位をつけていきましょう。
「いま自分の中で実際に優先されている気持ちは何か、いま書いた中から3つ選んで、順位をつけてください。(1分)」
ここでは、最近の仕事を振り返って、実際に行動に影響を与えているものを選んでいってください。
自分の気持ちに正直に順位をつけてくださいね。
なにか影響を与えているイメージがしっくりこない場合は、ここまでのワークで十分に気持ちが見つめられていない可能性があります。その際は、もう一度捉えきれていない気持ちがないか、確かめてみてください。
「できれば自分の中で優先したい気持ちは何か、いま書いた中から、いま思いついた中から3つ選んで、順位をつけてください。(2分)」
どうでしょうか。今まで自分が何を求めていたのか、あるいは、何を避けようと努力してきたのかは、明らかになりましたか?
もし、いま出てきた気持ちの中に、ポジティブに向かっていくことができるようなものがない場合は、もう少し深く掘り下げていく必要がありそうです。
あるいは、自分が本当に求めているのは何か、自分にとって幸せとは何か、あるいは、自分はどんな欲求が強いのか、どんな価値観を持っているのか、ということなど、自分の気持ちをより深く掘り下げていきたくなったなら、以下のページを参考に、自分の気持ちを整理してみてください。
たくさんのヒントがあるはずです。
目的の気持ちに到達するいくつもの可能性を明らかにする
さて、優先すべき気持ちが明確になったら、次は、それを達成するための具体的な条件を明らかにするステップです。
気持ちに関係なく「こうしなきゃいけない」なんてことはない
得るべきものが気持ちだということがわかれば、いままで「こうしなきゃならない」と思っていたことが、実はそうではないことにすでに気づいているはずです。
たとえば、顧客満足度のアンケート結果を高めることが目的なのではなく、実際に満足しているお客さんを見てうれしくなる気持ちが一番の目的だとしたら、
単にアンケートを見るのではなく、直接お客さんの顔を見ながら話してみる
とか、
サービスの途中でフィードバックを貰えるようにする
とか、いろんなアプローチが見えてくるでしょう。
自分の気持ちが整理出来ていけば行くほど、行動は柔軟になっていく
もちろん、最低限満たすべき、あるいは回避すべき気持ちはあるでしょうし、そうした条件を設定すると、完全に自由に一番得たい気持ちだけを追い求めることはできないでしょう。
しかし、気持ちの優先順位をしっかりと付けられれば付けられるほど、あるいは自分の人生の軸が定まれば定まるほど、そうした条件は少なくなり、優先すべき気持ちに対する行動の柔軟性は高まっていくはずです。
では、実際に目的が達成するための手段を明確にしていきましょう。
以下のワークをダウンロードして、実際にやってみてください。
ワーク:目的に到達する手段(状態、条件)を明確にする
「いま一番手に入れたい気持ちはなんですか?(1分)」
先ほどのワークで、優先順位をつけた気持ちを1つ設定してください。
どうしても2つ以上ある場合は、2つとも書くか、気持ちがあまり関係ない場合は別々にこのワークをやってみましょう。
「まだ整理がついておらず、どうしても避けたい、あるいは諦めきれない気持ちはなんですか?(どんな人でもこれはあります。ですが、できるだけ少なくなるようにしましょう)(3分)」
これが少なくなればなるほど、次で明らかになる制約も少なくなります。
実際のところ、このどうしても避けたい気持ちや、諦めきれない気持ちに関しては、どんな人でもおそらくあるはずです。
これまでによほど衝撃的な経験をしていて、寝ても冷めてもその気持ち以外望めないような状態でない限りは。漫画や小説の主人公だと、たまにありますね。
もしあるなら、それはこの先、意識して少しずつ整理していけばよいだけのことです。
無理になくす必要もありません。ある意味で個性でもありますから。
ただ、諦めきれない気持ちが得られず、ショックを受ける可能性が高まりますが。
また、”諦めた気持ち”もちゃんと得られる、ということは、補足しておきます。
要は、「絶対に得たい気持ち」として計画には入れない、ということであって、何があってもこんな気持ちにならないように努力する、というわけではありませんからね。旅の目的地の途中に、ちょっと行ってみたかった場所がれば、別に寄ってもいいわけです。時間を考えてさえいれば。
こうした気持ちは、時期によって変わっていくと思います。
例外的な話ですが、全部手に入れたい、という人生観も有りといえば有りでしょう。ただ、こうした人生観の場合、「気が向いたことは全部手に入れるように行動することで感じる自由な気持ち」のようなものに最も優先順位を置いている、といえなくもありません。
結局のところ、得たい気持ちをどれも取ろうとして、何もえられない可能性の高い選択をすることになるわけですから。
とにかく、自分にとってゆずれない気持ちはなんなのか、ということを明確に意識しておくだけでも、他の優先すべきでない気持ちを後回しにする、という決断を下す際に、非常に役に立ちます。
「それはあなたの行動にどんな制約を与えますか?気持ちが複数あればそれぞれについて書いてください。(5分)」
たとえば、どうしても避けたい気持ちが
「人から馬鹿にされたときに感じる怒りや恐怖」
であれば、Aさんに馬鹿にされるパターン、Bさんに馬鹿にされるパターンと、ほぼ終わりなく書いていくことができます。これは、避けたい気持ちが抽象的すぎるからですね。
そう言われると、こういう場合は、あまりに制約が大きすぎることに気づけたと思います。なんとかしてその制約をなくすべく、あるいは小さくすべく、自分の中にある気持ちへの恐れに立ち向かいましょう。
何かが原因で、避けるべき気持ちがすごく一般的なものになって、自分の生活をめちゃめちゃにしているかもしれません。
あるいは、もし避けたい気持ちが、
「貧乏な気持ち」
なら、
収入はいくらくらい
とか、
いつまでにいくら貯金がある
とか、
特に家具はちゃんとしたものを買う
とか、そういう制約がつくかもしれません。
「いま一番手に入れたい気持ちは、どんな状況で得ることができますか?イメージできるだけ書いてください。(多ければ多いほど、あなたがその気持ちにたどり着く可能性は高くなります。)(5分)」
たとえば、
「家族と幸せを分かち合っているあたたかい気持ち」
であれば、
収入が安定していて毎週末家族と過ごすひととき
かもしれませんし、
毎朝の朝食で笑顔で会話しているとき
かもしれません。
親孝行に旅行をプレゼントしたとき
かもしれません。
たとえば、
「同僚と信頼関係を築けて安心して仕事に向かえる気持ち」
であれば、
プロジェクトで活躍すること
かもしれませんし、
失敗しても同僚の期待に応え続けた状態
かもしれません。あるいは、
一ヶ月毎日明るく挨拶をして仲良くなった状態
かもしれません。
気持ちを明確にイメージして、そうなるような状況を、自由に描いていきましょう。
これに関しても、気持ちを整理する、を参考にしてみてください。
どうでしょう。自分の目的とする気持ちに到達できる状況が少しずつ明確になってきたでしょうか。
なにも完璧に明確にする必要はありません。
いったんこうして考えておくと、普段の生活の中で勝手に考えて、日々さまざまなな気付きがあるものです。ある程度見えて来れば、いったんは大丈夫です。
重要なのは、とにかく目的となる気持ちに確信を持つこと。これができていなければ、確信が持てるまで自分の気持ちと向き合ってください。
そうしなければ、ただ嫌なことを避けるだけで、得たい気持ちをなんら得ることなく、あるいは人から得たいと思わされた気持ちだけを得て、毎日を過ごすことになるでしょう。
目的に対して必要な成果と、現実とのギャップを明確化する
さて、ここまでで、あなたは目的となる得たい気持ちをある程度明確化し、それを得るためにどんな状況を目指せばよいか、そのために何をすればよいか、ぼんやりと見えてきたことと思います。ここから先は、こうして見えてきたゴールに対して具体的に現状を把握し、実際になにを変えていく必要があるのか、どう行動してけばよいのかを明らかにしていきます。
現実を徹底的に記述する
現状を把握するには、なんとなく現状をぼんやりイメージしているだけではだめです。やはり、具体的に表現しなくてはなりません。表現することで、頭の中でイメージできる限界を飛び越え、自分の感覚も含めて客観的に把握することができるのです。
自分の時間の使い方
まずは、自分が実際に、いつ、何をしていて、どう感じているのか、こういったことを明らかにしていきます。どのような形で表現してもよいのですが、もしスケジュール帳などのように手元に自分の時間の使い方を書き出す場所がなければ、いったん次のファイルを利用してみてください。
もちろん、googleカレンダーなどを利用するのも手です。
https://www.google.com/calendar/render?hl=ja
とにかく、ここ数週間の間で典型的な時間の使い方を、平日、休日の2つに分けて書いてみてください。
気持ちや時間に余裕があれば、先週一週間で行ったことを全部書きだしてみても構いません。
そうしたら、色ペンを取り出して、いまの目的に沿った時間の使い方をしているものだけに赤で印をつけてみてください。
また、目的以外の譲れない気持ちのための時間の使い方をしているものに、赤以外の色で印をつけてみてください。
google calendarの場合は、予定をクリックしたあとタイトル横の下向きの▽をクリックするか、「予定を編集する」を選んで色を選択できます。
そうすると、赤色がついた時間は増やすべき時間、なんの色もついていない時間は、減らすか、上手く行けばなくすことができる時間です。
もちろん、食事や睡眠、入浴など、生活に必要な最低限の時間はありますし、別に理想的にはなくなった方がいいと言っているわけでもありません。
そうではなく、もし実際にその気持ちを得られていないなら、得られそうにないなら、こういう時間の捉え方をすることで、自分の時間を管理する手がかりが得られる、ということです。
もしこれまでのワークで上手く自分の気持ちを捉えることができていたら、スケジュールを書き出している間に、どこをどうすべきなのか、何を減らして何を増やすべきなのか、自由な時間をどのように使うべきなのか、ということを考えてしまっているはずです。
そうです。次は、先ほど挙げたイメージの中でいまのスケジュールから最も実現できそうなものを選んで、その実現に必要な行動を書き出しましょう。
同僚の信頼に応えるのであれば、まず同僚が何をあなたに期待しているのかを明らかにする行動を取る必要があるでしょう。
そして、その期待に応えるために何をしなくてはならないかを明確にする行動が必要です。
このように、目的の気持ちの到達できる状況に近づくために、いま不足している行動を書き出していきます。
そして、いまのスケジュールの中に組み込んでいきましょう。最低限、どのイメージがいま一番実現しそうかを決定したら、次は、視点を変えてこの行動をふくらませていきます。
使える資源を明らかにする
さて、どのイメージが一番実現しそうか決定したら、その実現のために最も効率のよい行動を明らかにする必要があります。この際、自分の行動の可能性を広げるために、自分の使える資源の観点から考えることが重要です。
資源としては、一般的にビジネスで言われる、ヒト、モノ、カネ、情報の他に、時間や空間を意識するとよいでしょう。自分に使える資源の一覧を作っておけば、自分の行動を考える上でも非常に役に立ちます。ただし、これは探せば探すほど出てくるので、やり込むと時間がかかって仕方ありません。まずは、制限時間に従ってさくさくとベースとなる部分を作ってみてください。いったんリストを作り、ふだんからすぐ手に取れる場所においておけば、自然と内容は充実していきます。
ワーク:資源のリストを作ろう
「あなたの知人、友人、コミュニティの中で、目的の気持ちに到達するのに関わりのありそうな人やコミュニティをリストアップしてください。(3分)」
FacebookやTwitterなどのSNSや、携帯電話のアドレス帳を見て、さっと考えてみてください。
「あなたの身近にあるモノの中で、目的の気持ちに到達するのに役立ちそうなモノをリストアップしてください。また、これから手に入れれば役に立つと思われるモノをリストアップしてください。(3分)」
持っているものは、部屋やオフィスを見舞わせばすぐに見つかるでしょう。これから役に立ちそうなものは、とにかくイメージをふくらませることです。これは、情報や場所にも言えます。
「あなたが目的の気持ちに到達するのに支払える金額を書いてください。(1分)」
これは、あなたの決意を聞いています。
あなたにとって、その気持が得られないことは、どれだけ辛いことなのか。あるいは、その気持が得られるということは、どれだけの価値があることなのか。
本当に重要な気持ちを目的に設定することができていれば、この問いに対する答えは、いくらでも、ということになるはずなので、問いの意味のなしません。
ですが、いくらでも、というのはちょっと…ということになると、おそらく目的の設定でもう少し改善の余地があります。
「あなたがこれまで得てきた情報のうち、目的の気持ちに到達するのに役立ちそうなものをリストアップしてください。また、これから得ることができれば役に立つと思われる情報をリストアップしてください。(5分)」
ここで情報というのは、あなたの持っている知識や経験であったり、どうアクセスしたらよいか知っている情報であったりというものです。後者に関しては、会社の書類から、ノート、PCの中のデータ、インターネットや図書館、果ては友人知人からどう手に入れたらよいか知っている情報に至るまで、幅広いです。
たとえば、家族で旅行に行きたいなら旅行雑誌を読んだり、これまでの旅行の経験を振り返ってまとめておいたりしてもいいでしょうし、コミュニケーション能力を高めたいなら、持っている書籍や知っている本の中で何があるのかをリストアップしておきましょう。
あるいは、専門的な知識を高めたいなら、現在どのように情報を集めていて、どう改善の余地があるのかなどです。
用途に応じてリストにしておくと、いざ必要になったときに、アクセスまでのムダが大いに省略されます。
また、こんなことの役に立つとは思わなかった、という知識や情報が意外なところで役に立つこともありますから、こういう用途には、どんな情報が役にたつのだろうか?という視点でいろいろと考えてみてください。
「あなたが最近使っている時間のうち、目的の気持ちに到達するために減らすことのできる時間をリストアップしてください。(5分)」
これは、先ほどの現状把握のワークで明らかになったはずです。色のついていない部分を、リストア
ップすることで明確にし、ふだんから意識することができるようになります。
「あなたがふだん足を運ぶ場所のうち、目的の気持ちに到達するのに役に立つ場所をリストアップしてください。また、これから行けば役に立つと思われる場所をリストアップしてください。(3分)」
それほど重要では無いように思われるかもしれませんが、場所というのはかなりあなたに影響を与えています。場所を変えることで、どんな言葉や行動も意味が変わって来ますし、考え方や気持ちそのものが変わってきます。
目的に気持ちに到達したイメージを描いたときに、ぼんやりと、場所のイメージはありましたか?家でしたか?会社でしたか?それはどんな場所でしたか?
まずは自分がふだんいる場所が、自分にどんな影響を与えているのかを意識してみましょう。
そして、自分の行動範囲にどんな考え方や気持ちの変化を与えてくれる場所があるかだけでも知っておいてまとめておきましょう。
このように、自分の使える資源をかんたんにリストアップしただけでも、自分が目的とする気持ちを実現しているイメージがぐっと具体的になったはずです。そして、そのためのプロセスまで随分明確になってきませんでしたか?
明確になった部分は、先ほどの時間の使い方の紙でも、Google CalenderのTodoリストでも、自分の手帳でも構いませんから、すぐに書き留めておきましょう。
ギャップを埋めるための行動をリアルにイメージする
さて、これで、
現在どのように時間を使っているのかがわかり
どれだけの変化の可能性があり
自分がどんな資源を持っていて
さらに
何ができるのか、何をすれば目的の気持ちに近づくことができるのか
というところまでイメージできたはずです。
つまり、これらを合わせれば、目的たどり着けるイメージと現在のギャップが明確になるはずなのです。
では、先ほどまでに書きだした情報を全部机の上に出してみましょう。
目的とする気持ちとその実現イメージのリスト、現在の時間の使い方と資源のリスト、そして行動のリストです。一度に全部が目に入る状態にしてください。
そうしたら…
まず、もう一度行動のリストを埋めます。
資源のリストと目的に到達しているイメージを見ながら、5分間、思いつく限り行動のリストに書き込みましょう。
次に、その行動一つひとつがどのくらい時間のかかるものなのかを書いていきます。
あまり重要そうでないものは飛ばしても構いません。
そうしたら、今度は行動のリストの中で優先順位をつけていきます。
絶対にやらなくてはならないこと、やったほうがよいこと、実はどうでもいいことを、ABCとか、甲乙丙とか、とにかく分類して、さらにその中で何が最も重要なのかを順位づけしていきます。
最後に、先ほど新たな行動に対して使えるとしていた色のない部分を見ながら、どこにこの予定を入れられるかな、と考えてみてください。
これで、最低限現実的な自分の行動計画が明確になったと思います。
正直なところ、自分と向き合い、自分の気持ちを目的として明確にする、という部分ができていれば、あとはどこにでもある時間管理を多少応用したものに過ぎません。
自由にアレンジしてくださってかまいません。
重要なことは、
そもそもの目的となる気持ちと、その気持ちに到達する状態を豊富にイメージすること。
自分の生活を紙の上だけで完全にコントロールすることは不可能です。これがある程度のレベルに達していれば、行動は自然と変化していきます。
また、日々の生活の中でより気持ちが実現しやすい状態のイメージがふくらんでいき、目を向ける資源も変わっていき、勝手に効率のよい生き方になっていくはずなのです。
自分を振り返り、資源を見直すことで、気持ちを捉えてその実現のイメージを明確化すること。
これを高いレベルで実現する方法こそが、ここで最も伝えたかったことなのです。