じぶんにきづくブログ。

Know ourselves, be autonomous. Control our lives.

スッキリしよう!気持ちや考えを整理するための三つのステップ

Salar de Uyuni
Salar de Uyuni / Nico Kaiser

朝起きてスグ支度をして、仕事に行く。
夜遅く帰ってきて、なんとかご飯を食べて、寝る。
休みになると、”せっかくだからなにかしなきゃ!”とプレッシャーを感じ、ふと、いつまでこんな生活が続くんだろうと思う。

こんな生活をしていると、自分についてゆっくり考えることができなくなっていき、気づけば考えること自体を避けるようになってしまいます。

f:id:know-yourself:20140702180939j:plain

私がこれまで相手にしてきたクライアントさんを参考にすれば、忙しい方ほど、”今なにがしたいですか”という小学生でも答えられそうな質問で言葉につまります。あるいは、表面的な目標を掲げます。そして、じっと目を見ていると、一瞬表情が固まって、ハッします。

気持ちや考えが整理できていない状態。これを放置すれば、そのうち何かがおかしくなります。仕事でのパフォーマンスが低下するかもしれません。家族や友人との関係がおかしくなるかもしれません。何をしていても楽しくないかもしれないし、常に不安を感じるようになるかもしれません。


自分の気持ちや考えを知り、整理することは、できているようでできていないこと。
そしてこれは、日々を生産的に、ポジティブに過ごすために、また、後悔のない決断を下すために、欠かすことのできない習慣なのです。

今回は、スッキリと気持ちや考えを整理するための方法を、3つのステップに分けてお伝えします。

さてさて。
では、具体的に何をしたら気持ちを整理できるのでしょう。何をしたら、考えを整理できるのでしょう。


気持ちや考えを整理するための3ステップ

  1. 「人間は、自分の気持ちや考えを捉えるのが苦手」だ、ということを受け入れる
  2. 気持ちや考えを表現(客体化)し、捉え直す
  3. 何がわからないのかを理解する


今回は、この三つのステップに沿って自分の気持ちや考えを整理するための具体的な方法を紹介します。

※目次が表示されない場合は、お手数ですが記事タイトルをクリックしてください。

「人間は、自分の気持ちや考えを捉えるのが苦手」だ、ということを受け入れる

気持ちや考えを整理しようとするとき、絶対に知っておかなくてはならない事実があります。それは、

人は自分の気持ちや考えを捉えるのが苦手

だということです。自分はいまこう感じている、とか、こう考えている、とか、そういったことを捉えるのが本当に苦手なのです。基本的に、自分がいまこう感じている、考えている、と捉えているものは、自分の気持ちや考えのほんの一部(場合によっては嘘)にすぎません。


特にやっかいなのは、誰しもが、自分のことは自分でちゃんとわかっている!と思いたくなってしまうことです。
だから、こうした事実に対して「そんなことない!」と考えてしまう人は特に、自分が思っているより、自分は自分のことを理解できていない、ということを受け入れること。

そして、「いま、自分が本当に望んでいることはなんだろう」と、自分のことを知ろうとする態度を持つこと。

こうすることで、自分の気持ちや考えを整理する質も速さも劇的に向上します。

気持ちや考えを表現(客体化)し、捉え直す

さて、ではどのように気持ちや考えを整理したらよいのでしょうか。

私がもっとも効率がよいと考えるのは、「気持ちや考えを表現すること」です。もっといえば、「客体化して捉え直すこと」です。

意識は無意識のほんの一部にしかすぎません。

また、

人間の頭で一度に処理できる情報にも限界があります。

漠然と気持ちに浸ったり、次から次へとやらなきゃいけないことを頭に浮かべてみたところで、自分の気持ちや考えを、ちゃんと捉えて整理することは難しいのです。
それはいわば、鏡なしで化粧や髪のセットをするようなものです。あるいは、レントゲンなしで、骨が折れているかどうか判断するようなものです。

そうではなく、今心の中にあること、それこそ、「もやもやする」「不安だ」「あれかっこいいな」という気持ちでも、「~しなきゃ」「~したい!」「なにをすべきだろう?」「なんで不安なの?」という考えでも、自分が感じたこと、考えたこと、自分の状態をありのままに素直に表現することです。

表現すれば、自分の心を外側から見ることができます。近すぎてわからなかったことが、捉えられるようになります。

つまり、鏡に映して見られるようにすることで初めて、あなたは自分自身をしっかりと捉え直し、整理することができるのです。
そして願わくば、自分が今まで見ることのできなかった深い部分までレントゲンで映し出し、自分をどうしていくべきか判断することが重要なのです。

では、どうしたら「客体化」して、自分の気持ちや考えを捉えることができるのでしょうか。
表現(客体化)の方法と、気持ちや考えを捉えるための観点を、それぞれお伝えしていきたいと思います。

表現する

これには、いくつかの方法がありますが、特に、言葉を使ったものが非常に効果的です。

<気持ちや考えを表現する方法>

  • (頭のなかで言葉やイメージにする)
  • 言葉にして書きだす
  • 言葉にして口にする
  • 絵にする
  • 音にする
  • 身体を使って表現する etc...

もちろん、自分の得意な方法を選べばよく、組み合わせたりしても大丈夫です。
重要なのは、ちゃんと自分の気持ちや考えの一部でも表現されていて、捉え直すことができること。
ですから、絵や音にするのは、それなりに練習した人でないと難しいでしょう。だいたいは、自分を捉え直せるほど十分には表現できません。

最もメジャーな方法は、おそらく人と話すことと書き出すことだと思います。たいていの人はこのどちらかがしっくりくるはずです。

私のオススメは、その2つを組み合わせた方法ですが、せっかくですからまず、書きだす方法と、口にする方法のバリエーションをまとめておきます。

表現の方法について

おすすめの方法

最後に、私がオススメしている方法をお教えします。

書きだすことと話すことの組み合わせだといいましたが、文字通り、会話しながらその内容を書き出していきます。
ただし、少々やっかいな前提として、ちゃんと話を聴く技術を持っていて、気兼ねなくなんでも話せる友人がいることが必要です。

しかし、この前提さえクリアできれば、あとは簡単。紙やPCを前に、いつもどおり話をしながら、その内容をメモしていくだけです。マインドマップのような形でメモしていくのがやりやすいと思います。
こうすれば、人と話していることで頭が働きますし、相手の目線を感じることで、自分の気持ちや考え自体を無意識に何度も捉え直そうとします(もちろん自分の間違いを認めるだけの最低限の用意は必要です)。

また、ひと目で会話を振り返ることができるので、話がそれにくく、より客観的に自分を見つめなおすことができます。

話し言葉を一つ一つ文字にする過程で、しっかりと表現すべき内容に集中することができ、あいまいになりがちな話し言葉をより正確な表現にしつつ、気持ちや考えを再度捉え直すことができます。

なにより、相手がよければ、上手く質問をして、気づいていない自分の一面を気づかせてくれるかもしれません。

要は、書きだす方法と口にする方法の両方のメリットをかなりの部分併せ持つことができるのです。それどころか、文字にしながら話す、ということは、話し自体の質をかなり高めるため、相乗効果があります。

もし最初の条件さえクリアできるなら、ぜひ試してみてください。あるいは私にご相談ください。

今の気持ちを表現し捉えるワークをやってみよう!

この内容の応用として、以下のワークを紹介します。
リストを作る上でも、なかなか役に立つワークです。
読むのを一旦中断して、ダウンロードしてやってみてください

今まで目的にしてきた気持ちの整理

視点を変える

f:id:know-yourself:20140702181454j:plain

多くの場合、自分の気持ちを素直に表現した時点で、かなり整理ができています。

ですが、気持ちや考えが複雑だと、自分が気付きを得る上でもうひと押し必要な場合があります。
また、多くの場合、書いたり話したりして整理されてくると、それで満足してしまい、もう一度全体を振り返る、ということをしなくなります。

表現して整理したことは、残念ながらあなたの一つの側面にすぎません。そこで整理したことを、いったん頭を切り替えて別の視点から捉え直すことで、効果が二倍にも三倍にもなるのです。

そして、そうやって一度に得られる効果を高めていくと、水が100℃で沸騰するように、突然「カタン」とすべてのピースがはまったような、たくさんのことを全く新たな視点から捉えられるような変化が訪れるのです。

書きだした場合や録音した場合は、表現した内容を捉え直すことは簡単にできます。いったん休憩するなりしてから、書いたものを見直すなり、聞きなおすなりすればよいのです。

会話であれば、最初から順を追って話した内容をまとめるというのもよいでしょう(前述の通り、やはり話すときは書きながらを推奨します!)。

その上で、ここで表現されている自分の気持ちや考えを基にもっと整理していきたい場合、考えを発展させていきたい場合は、様々な視点から捉え直してみましょう。その方法として、次のような方法があります。


<様々な視点から捉え直す方法>

  • いろいろな人に向かって説明してみる(相手は想像でも可)
  • 自分が嘘をつきそうなところをリストアップしておく
  • 感情のリストを作っておいて見る
  • 願望のリストを作っておいて見る
  • 欲求のリストを見る etc...


どの観点も非常に有用なものばかりです。以下にまとめておきますので、これを参考に自分の気持ちや考えを捉え直してください。

捉え直す視点について

何がわからないのかを理解する

最後に、いろいろな観点から表現した内容を振り返り、いったいなにがわからなかったのか、ということを明らかにします。

なぜこんなことを言うのかというと、ただ漠然とわかっていない、という状態と、何がわかっていないかわかっている、という状態は、天と地ほどの違いがあるからです。

第一に、人は対象化できないものに対してもっとも不安を覚えるからです。わかっていないことを明らかにしていない状況では、無意識のうちに多くのストレスを抱えてしまうことになります。

たとえば、今まで感じたことのない痛みをお腹に感じたとしましょう。歩くこともできず、冷や汗が流れます。鼓動が高鳴り、何がこんなに痛いの?自分はどうなるのだろう?という不安に苛まれます。次に、あなたは病院にいき、原因は胃炎だとわかったとします。すると、依然としてお腹の痛みは変わりませんし、悪化する可能性も当然ありますが、今まで感じていたような強い不安ではなく、残っているのは痛み対する恐怖ばかりになるはずです。

第二に、何がわかっていないかを理解していれば、折にふれてそれを理解しようと努力できますが、漠然とわからないと思っているだけでは、何をどうしたらその状況が解決できるのかがわからず、なんの努力もできないのです。

たとえば、価値観という観点から、自分自身についていろいろと表現し、いくつか気づきがあったとしましょう。そして、とりあえず自分は家族といられることを大事だと思っている、ということに気づいたとします。

しかし、この状態では、実際に家族を大事にすることはできません。

なぜなら、自由でいられることや、友人と楽しく過ごすこと、仕事で認められること、というその他の重要な要素のうち、家族といられることが大事、という価値観がどのあたりに来ているのかが明らかではないからです。
大事だと気づいたけれども、実際に行動が変わらない、あるいは、優先順位までつけられていない、という状況では、多くの場合、そもそも優先順位を付けられるほど、十分に自分の価値観を試すことができていない、という状況になっています。

ここで、”まだ自分の価値観についてわかっていないな”、”家族と仕事を天秤にかけたらどうなるか試してみないといけない”という風に考えるのと、”家族といられるのは大事だなぁ”となんとなく思っているのでは、そのあと実際におきてくる行動が大きくかわってくるのです。

そういうわけで、自分の気持ちをある程度整理したら、より自分を知るために、よりよい人生を歩むために、自分についてどんなことがわかっていないのか、これから何を知っていけばよいのか、ということを積極的に考え、把握しておきましょう。

いますぐできること

f:id:know-yourself:20140604210009p:plain
目安時間:15分

  • 手帳かEvernoteを開きましょう。
    • 整理したい気持ちや考えを書き出しましょう。思いつくままに。
    • どんな情報が参考になるか、書き出してみましょう。~についての本、サイト、映画、人など。
  • アドレス帳でもFacebookでもいいので、友達が一覧になっているものを開きましょう。
    • 信頼できる友達を選んで、とりあえず"今度会おう”とメールし、会う約束を取り付けましょう(アポがとれればなんでもいいです)。
    • 会う目的を書き出し、話す内容を整理しましょう。
    • 相手にとっても有益な時間にするために、自分に何ができるか考えましょう。
    • 可能なら、事前にこの記事の内容を相手に共有しておき、試してみたい旨を伝えておきましょう。

まとめ

以上、
「人間は、自分の気持ちや考えを捉えるのが苦手」だ、ということを受け入れる
気持ちや考えを表現(客体化)して、捉え直す
何がわからないのかを理解する

と、ここまでは自分の心を整理する方法をお伝えして来ました。ここからは、まだもやもやしているはずの、明らかになったわからない部分をスッキリ!と理解するための方法については、以下を参考にしてください。

人間について知る